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2025.03.01

噛めると長生き?

こんにちは、柏の予防歯科、菜のはな歯科クリニックです。

 

大阪大学大学院歯学研究科の豆野智昭助教、池邉一典教授、キャンパスライフ健康支援・相談センターの山本陵平教授らの研究グループは、
大阪府の後期高齢者186,893人において、奥歯の噛み合わせが悪化するほどに死亡の頻度が高くなるとともに、状態の悪い入れ歯の使用者や入れ歯を使用していない者は、
奥歯の噛み合わせが良い人と比べて、同じ期間内に死亡する確率が高い(最大で1.8倍)ことを明らかにしました(右上図)。
このように、噛む能力と死亡リスクにはいくつかの興味深い関係があることが研究からわかっています。
特に、噛む力や噛む能力の低下は、健康や長寿に影響を与える可能性があります。少しその関係について詳しく説明させてもらいますね。



1. 噛む力と全身健康

噛む力の低下は、以下のような健康問題と関連があります。

  • 栄養摂取の低下: 噛む力が弱くなると、固い食べ物を食べることが難しくなり、食べ物の選択肢が制限されることがあります。これにより、栄養が偏り、特に高齢者ではカルシウムやビタミンB12、たんぱく質などの重要な栄養素の摂取が不足しがちです。
  • 飲み込みの問題(嚥下障害): 噛む能力が低下すると、食べ物をうまく飲み込むことができなくなり、誤嚥による肺炎や窒息のリスクが高まります。


2. 噛む力と死亡リスク

噛む力の低下と死亡リスクの関連についても研究が行われており、特に高齢者の健康において重要な要素となっています。

  • 高齢者の死亡リスク: 噛む力が弱い高齢者は、栄養不良や誤嚥性肺炎、慢性的な健康問題(例えば、心血管疾患や糖尿病など)にかかりやすく、これらが死亡リスクを高める要因となることがあります。ある研究では、噛む力が強い人ほど、生活の質が高く、長生きする傾向があることが示されています。
  • 介護の必要性の増加: 噛む能力が低下すると、食事の摂取が困難になり、食事補助や介護の必要性が高まります。これにより、生活の質が低下し、全体的な健康状態に悪影響を与える可能性があります。


3. 関連する研究結果

いくつかの研究で、噛む力と死亡リスクの関連が示唆されています。例えば、日本の高齢者を対象にした研究では、噛む力が弱いことが死亡リスクの増加と関連していることが確認されています。噛む力が弱いと、食事の摂取量が減少し、免疫力が低下し、さまざまな疾患にかかりやすくなることがわかっています。


4. 予防策

  • 口腔ケアの重要性: 定期的な歯科検診や口腔ケアが、噛む力を維持するために重要です。口腔内の健康を保つことで、噛む能力が向上し、誤嚥や栄養不足のリスクを減らすことができます。
  • 適切な食事選択: 噛む力が低下した場合でも、柔らかい食べ物や栄養価の高い食品を意識的に摂取することで、健康状態を維持しやすくなります。


まとめ

噛む力が死亡リスクに与える影響は重要です。噛む力が低下すると、栄養不良や誤嚥のリスクが高まり、これが高齢者の死亡リスクを増加させる可能性があります。口腔ケアや食事の工夫を通じて、噛む能力を維持することが、健康を守り、長生きするための重要な要素となります。
どうでしょう、「噛める」って大切ですよね。失った奥歯を放置する、合わない入れ歯を使い続ける、奥歯でうまく噛めない、などにお心当たりのある方は長生きするために歯医者に行ってみるのも良いかもしれませんよ。



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